HPMCの粒度の違いがモルタルの特性に与える影響

 

HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース) 建築材料に広く使用されている重要なモルタル混和剤です。主な機能は、モルタルの保水性向上、作業性向上、ひび割れ抵抗性の向上などです。AnxinCel®HPMCの粉末度は、その性能を左右する重要なパラメータの一つであり、モルタル中への溶解性と分布、そしてモルタルの物性向上効果に直接影響を及ぼします。

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1. HPMCの細かさの定義

HPMCの粒度は通常、粒子の平均粒子径、または特定の篩を通過する割合で表されます。粒度の高いHPMC粒子は粒子が小さく、比表面積が大きくなります。一方、粒度が低いHPMC粒子は粒子が大きく、比表面積が小さくなります。粒度は、溶解速度、分布の均一性、そしてHPMCとセメント粒子との相互作用に大きな影響を与えます。

2. 水分保持への影響

保水性はモルタルの性能を示す重要な指標であり、硬化後の施工性能と品質に直接影響を及ぼします。HPMCの細粒度が高いほど、モルタル中の粒子がより均一に分散し、より緻密な保水性バリアを形成できるため、モルタルの保水性が大幅に向上します。さらに、細粒度のHPMCは溶解が速く、より早く水分を保持するため、高温下地や吸水性の高い下地施工において特に有利です。

しかし、HPMCの細かさが高すぎると、水と急速に接触した際に凝集を起こし、モルタル内での均一な分散が阻害され、実際の保水効果が低下する可能性があります。したがって、HPMCの細かさを選択する際には、実際の用途要件を総合的に考慮する必要があります。

3. 作業性への影響

作業性とはモルタルの施工性能を指し、主にモルタルの流動性とチキソトロピー性に関係します。高細粒度のHPMC粒子は、溶解後にモルタル中で均一なコロイド系を形成し、モルタルの流動性と潤滑性を向上させ、作業性を向上させます。特に機械化施工において、高細粒度のHPMCは吹付抵抗を低減し、施工効率を向上させることができます。

一方、細粒度の低いHPMC粒子は溶解速度が遅いため、練混ぜ初期段階でモルタルの粘度が不足し、施工時の操作感に影響を与える可能性があります。また、粒子径の大きいHPMCはモルタル内で不均一に分散し、全体的な作業性に影響を与える可能性があります。

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4. 耐ひび割れ性への影響

ひび割れ抵抗は主にモルタルの乾燥収縮と内部分布の均一性に影響されます。高細粒度のHPMCはモルタル内でより均一に分散し、連続したセルロース膜を形成します。これにより水分の蒸発速度が遅くなり、モルタルの乾燥収縮が抑制され、ひび割れ抵抗が効果的に向上します。

 

一方、細粒度が低いHPMCは分散性が悪くモルタル内部に局所的に集中する部分ができやすく、乾燥収縮を効果的に抑制できず、ひび割れ耐性も劣ります。

 

5. 強度への影響

HPMCの粒度は、モルタルの強度に比較的間接的な影響を与えます。通常、粒度の高いHPMCは、保水性と分散性が向上するため、セメントの水和がより完全に進み、モルタルの初期強度が向上します。一方、粒度が低いAnxinCel®HPMCは溶解性と分散性が弱く、局所的な水和不足を引き起こし、モルタル強度の均一性に影響を与える可能性があります。

 

HPMC の含有量や細かさが高すぎると、セルロース自体がモルタルの機械的特性に与える寄与が限られているため、強度に悪影響を与える可能性があることに注意する必要があります。また、多すぎると骨材とセメントの比率が薄まります。

 

6. 経済および建設上の考慮事項

実際のプロジェクトでは、高粒度のHPMCは通常高価ですが、その性能上の利点は明らかであり、保水性と耐ひび割れ性に対する要求が高い場合に適しています。一般的な建設ニーズでは、中粒度のHPMCで性能と経済性のバランスが取れていることが多いです。

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HPMC 細粒度の違いはモルタルの特性に大きな影響を与えます。高細粒度のHPMCは、一般的に保水性、作業性、ひび割れ抵抗性に優れていますが、コストが高く、溶解工程で凝集のリスクがあります。一方、低細粒度のHPMCは価格が安いですが、性能向上には限界があります。AnxinCel®HPMCの細粒度を具体的な施工要件に応じて適切に選択することは、モルタルの性能を最適化し、コストを抑制するための重要な戦略です。

 


投稿日時: 2025年1月8日