湿式混合モルタルにおけるHPMCの重要な役割

湿式混合モルタルにおけるHPMCの重要な役割は、主に次の3つの側面にあります。

1. HPMCは優れた保水力を持っています。

2. 湿式混合モルタルの稠度とチキソトロピーに対するHPMCの影響。

3. HPMCとセメントの相互作用。

保水性はHPMCの重要な性能であり、多くのウェットミックスモルタルメーカーが注目する性能でもあります。

HPMC の保水効果は、基層の吸水率、モルタルの組成、モルタルの層厚、モルタルの水分要求量、硬化材の硬化時間などに依存します。

HPMC – 水分保持

HPMC のゲル温度が高いほど、保水性は高くなります。

湿式混合モルタルの保水性に影響を与える要因は、HPMC粘度、添加量、粒子の細かさ、使用温度です。

粘度はHPMCの性能を左右する重要なパラメータです。同一製品であっても、異なる測定方法で測定された粘度結果には大きなばらつきがあり、場合によってはその差が2倍になることもあります。したがって、粘度を比較する場合は、温度、スピンドルなど、同一の試験方法間で比較する必要があります。一般的に、粘度が高いほど保水効果は高くなります。

しかし、HPMCの粘度が高く、分子量が大きいほど、それに応じて溶解性が低下し、モルタルの強度と施工性能に悪影響を及ぼします。粘度が高いほど、モルタルの増粘効果は顕著になりますが、比例するわけではありません。粘度が高いほど、湿ったモルタルの粘性が高くなり、施工中にスクレーパーに粘着し、下地への接着性が高くなります。ただし、HPMCは湿ったモルタル自体の構造強度を向上させる効果はほとんどなく、たわみ防止性能が明らかではないことを示しています。逆に、中粘度および低粘度の改質HPMCの中には、湿ったモルタルの構造強度を向上させるのに優れたものもあります。

HPMCの細かさも保水性に影響を与えます。一般的に、同じ粘度で細かさが異なるHPMCの場合、同じ添加量であれば、細かさが増すほど保水性が向上します。


投稿日時: 2023年6月15日